あることないこと

ドーナツの絵日記

衣食住のダンス

こんにちは、ドーナツです。

十一日、日曜日。
ほんとに酷い悪夢を見て最悪な気持ちで起きた。朝の四時半くらい。そのあと二度寝もできなかったのでそのまま起床。お気に入りのカップまで壊してしまった。

今日開催のイベントを知り、気になって飛び込みで予約。
出掛ける時はちょうど雷が鳴りはじめの大荒れのタイミング。長靴と丈夫な傘、濡れても乾きやすいスカートで駅まで挑むも大変だった。みんなずぶ濡れ。

現地に着いてもイベントまでまだ時間があったので、嵐をかいくぐりコーヒー屋さんに。お店は小屋のような造りでドアを開け放っている。半分屋外のような気持ち良い簡素さ。ラテを頼んで濡れたスカートを乾かしながら景色を眺めてボーッとした。雨を室内で感じると気持ちいい。なんだかとても整った。

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イベントは、沖縄在住でそれぞれ泥染と植物染をしているお二方と、東京でレストランを営む食のプロの方のトーク。イベントのメインは植物染めの体験だった。

大きいカディシルクの布に野菜や果物の切れ端、採れたてのミントやゼラニウム、赤土や泥、様々な天然染料を参加者みんなで撒き散らす。その布を丸めて蒸し、色を定着させる。その間に沖縄料理のお弁当をいただきながらトークを聞く。何かできるのをを待っている間に他のことをする、この同時進行感が生活っぽくて不思議な一体感があった。

会場ではつねに沖縄の歌や太鼓のリズム、スパイスや植物の匂い、草木染め作品の綺麗な色が入り混じり、食事もしていたので五感を総動員していた。感覚が渾然一体となってあるはずのない焚き火が見えたり、一体どこにいるのか分からなくなった。

どんなに手のかかった素晴らしいものも、街の中でショーケースに並べられたり、ネットショップにある写真や文章を読むだけでは、どうしてもその奥にある暮らしや手仕事を想像できないまま消費してしまう。日々染め作業をしてる人の手は爪まで色が染み込んでいて、そういうものを直で見て初めて人の手を通していることにハッとする。

都会はなんでもコントロールできると思い込めるところがある。抗えない大きいものを感じる機会が少ない。管理できると思えるからこそ思い通りにならないことへの恐怖や支配が耐えない。なんなら自分の思い通りにできる人ほど優秀、という刷り込みすらあったかも。

登壇者の方々は、みなさん軽やかで流れに委ねるのが上手そうだった。 蒸して染め上がった布から出た湯気の香り、それをまだ思い出せる。自分の中に残っているもの、そこから浮き上がってくるものがあまり言葉にならない。


今日は写真を貼ります。

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