あることないこと

ドーナツの絵日記

私たちは素敵

こんにちは、ドーナツです。

関東は梅雨明けしたようだ。今は蒸し暑くなる直前で、一番夏っぽくてよい。日陰や夕刻は涼しい。まだ風も気持ちいい。


十八日の日曜日。月に一度通っているワークショップの日。
始めた頃に比べて参加者の皆さんの雰囲気がだいぶ変わっていた。髪を切っていたり、爽やかな開襟シャツなど着ていたりして時間の経過を感じた。間隔を空けながら会うのって面白い。

この日にやったのは、体の動きからその人の傾向を観察すること。「目を閉じて手を合わせて上にあげてください」と言われてポーズを取ると、全員それぞれ手の位置や肘の角度、手の向きが違う。それを整体という考え方から観察する、そのことがどんな傾向を表しているかを知ることができる。そうして互いの違い知って、そこで表れたものをヒントに、さらに次にやる課題を展開させていった。ある方は想像上の色を説明したり、私は言葉から連想した食べ物をその場で描いたり。そんなことをした。

私も自分の運動傾向が分かり(体癖、と呼ぶ)あらためて自分を知る機会となった。普段から何気なく行うことは自分にとっては当たり前のことになるが、それは他人にとっては新鮮なものだったりする。私は頭に気が集まりやすく、反応や言葉を生むのが早い。二十歳前後からとくに考え事が多くなったが、それ以前はどうだったのか思い出せない。昔は活字も読まないし、文章も書かなかった。

体癖は生まれもってのものですか?と尋ねたら「そうです。親の運動を引き継いでいます。」「なので両親のこういうところが嫌、ではなく、お父さんのここが素敵、お母さんのここが素敵、その素敵なところが合わさったのが私なんだな、でいいんです。」と答えていただいた。

数時間かけて皆さんと互いの違いをじっくり見ていき、なにか大きく受け入れる素地ができていた。「ああ私たちって素敵なんだ」と素直に思った。


そのあとは渋谷パルコに展示を見に行った。前から気になっていたペインターの方。展示会場は壁がポップな色で構成されていた。絵自体もカラフルなのに、空間が全くうるさくなくて、何故なのか分からなかった。油絵の鮮やかな発色、モチーフのかわいらしさ、滑らかに特徴を包むように表現した筆致が素晴らしかった。

最後の部屋にはご本人がいて、サイン会が行われていた。そこで、画集にサインをお願いする方が喋るときにマスクを外すよう促されていて初めて気が付いたが、作者の方は聾者であった。テーブルに平積みされた画集の横に、画家であるお父様が描いた絵日記をまとめた本があった。子ども時代、聾話学校に通っていたときに宿題として提出していた日記帖をまとめたものだそう。パラリと見て、素敵だったので画集と合わせて購入。

画集にサインをお願いしに行ったら「父の本を買ってくれてありがとうございます」と、声を掛けてもらった。その様子からその方がお父様の絵日記をとても気に入っているのが伝わってきてこちらも嬉しくなり「こちらこそ、本当にありがとうございます」とマスクをずらして答えた。

互いに発した一言に、色んなありがとうが込もっている感じがした。

 

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