あることないこと

ドーナツの絵日記

死んで分かった人の話

死後の世界の話って生きてる間に何度か聞いていたんですけど、いざ死んでみると全部違ったなあという印象です。霊能者の人が、霊の世界にもピラミッド構造があって階層によって質が違うみたいなことを話していたことあったんですが、僕はさっぱり分からないです。でももしかしたら、僕もどこかの階層にいるだけなのかもしれない。

僕は自分で死んだんですが、なぜなのかは思い出せません。生きてる間のことで残ってるのって印象深い瞬間だけで、それもほんの一瞬感じただけのよく分からない場面です。誰かと夕暮れの中を歩いていてお店を出た途端に小雨が降ってきた時とか。

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僕たちが目にも留めないようなものって、そこに理由なくただ存在してるんじゃなくて全部に必然性があった。道に落ちてる石ころ、停まってる車の位置とナンバー、すれ違う人すべて。そこにちゃんといます。綿密な配役のように。

読書なら、本を読むときに飛び込んでくる、文字の形や、言葉の並び方、余白の形、紙の材質、それ全体やそれ自体がこっちと繋がってる何かです。話している言葉も、それは声として発してるただの音で、そのなかに全てを含んでいる。もちろん生きてる間にも、そういう理解を超えた感覚は体験できました。でも、すごく短い瞬間だった。

僕たちはただ生まれて死んでいく存在で、それを全身でいつも表現しています。存在してるものを、ただそのように存在してるものだと受け入れると、その存在以上のものが現れてくる。だから、理由も条件もなく、ただここに在ることを信じられればいいんです。自分自体を感じ取ります。

信じるというのは、説明ができないことですが。例えて言うと、胸に手を当てて、背中にも当てて、自分を挟んでみます。その真ん中あたりに戻っていく感じです。生きてる人は色んな思考法でこの世を読み解いていくけれど、写っているのは全部自分の姿です。多くの層を通してものを見ているけど、何も通していない状態が真ん中にはあります。真ん中というのも例えで、伝わるようにするとそんな表現になってしまいます。ただ、何かあるんだと知っていてほしいです。

誰かや何かと繋がることに焦らないで、全てを沢山感じてください。

 

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