あることないこと

ドーナツの絵日記

投票した一日

こんにちは、ドーナツといいます。

noteで書いていたのですがこちらに移動してみました。落ち着く場所が定まるまでは、しばらくふらふらするかも。


今日は都議会議員選挙の投票日。
出かける直前まで選挙の特集番組をYouTubeで見ていた。登壇者の方々は選挙を楽しんでいて、見どころを教えてくれる。何かが勝てばいい、という話ですまないのが民主主義で、どちらに偏っても良くなく様々な考え方の人の席があることが大事。そのことを忘れていたなあと思った。

自宅から歩いてすぐのところに投票所の小学校がある。朝からしとしと雨が降っていた。私は裏口から入って校庭をぐるりと回って行く。校庭の砂を踏むのが好き。今って砂が白いんだ、などと思って歩いていたらぬかるみに足を突っ込み、泥が靴やズボンに跳ねてしまった、何してるんだろ。そういえば、これまでも投票日は雨のことが多かったのを思い出した。それで投票率が落ちるのを危惧する意見をSNSでもよく見ていた。

誰もいない学校やビルが好きなので、普段は子供の声が反響してるであろう校内に入れるのが少し嬉しい。手洗い場の位置の低さ。やっぱり投票用紙の紙と鉛筆は気持ちがよかった。なめらかに人の名前を書く。ここ最近は「投票に行ったら外食する」という動きがあって、そういう小さいご褒美に弱い。よく行くコーヒー屋さんまで歩いていった。
日曜日、街は静かだった。

ほどよく混み合っている店内。テイクアウトしないときはいつも店外にあるベンチを選ぶ。屋根の長さがそこまでじゃないから、座ると少し雨が足にかかる。まあ小雨だし長靴なので良しとした。チャイラテを頼んで席に座って待った。


目の前にあるのは道路と車と人。灰色。とくにいい景色でもないけど、これが今生きている場所の景色だ。川を眺める代わりに動いているものを見ている。

店員さんが入れ代わり立ち代わり「店内も空いてきましたのでどうぞ、雨が当たりませんか、寒くないですか」と気にかけてくれた。ありがたく思いながら「縁側みたいで、楽しんでます、大丈夫です」と答えた。店内は換気も良くしていて綺麗なところけど、人が纏っている何かが席を離れてもそこに残っている気がする。その籠もった感じがちょっとだけ疲れるから、縁側席にいつも座る。

カップがかわいいのでしげしげと見ていたら「それは波佐見焼なんです」と教えてくれた。釉薬がかかっていないざらついた部分が可愛い。こういうことにいちいち立ち止まっている時間を積み重ねたらすぐ人生が終わるんだろうな。花を見たり虫を見てると時間が止まって永遠になる。

小さいものはやっぱり小さい。大きいものには勝てないところがある。だけど同じ場所で戦ったりはしない。小さいものをなめない。花の活け方ひとつで場所の空気は変わるし、そういうことが何かを明確に分ける。

 

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